週末オランウータン 本「動物園から未来を変える」
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週末にぼちぼちと名古屋の東山動物園のオランウータンさんに会いに行っています。

本「動物園から未来を変える」 2019/04/21(Sun)

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(書影は著者ブログより引用)

今年2月に発売になったこちらの本
「動物園から未来を変える ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン」
川端裕人/本田公夫 共著

私が紹介するまでもなく、熱心な動物ファン・動物園ファンの方なら知ってるよー読んでるよーという方も多いと思う。
もしくは多くを語る背中ごしに見えるワオキツネザルの印象的な表紙写真を見て、いつか読もうと脳内リストに記載された方もいることと思う。
読んでるよーな方には、ウンウンこれほんま読むべき本ですよねと共感したいがため、
読んでない方には、そこのあなたこれほんま読むといいですよとその理由を言いたいがためにこの記事を書きます。

私は川端裕人さんのメルマガの購読者なので、この本を出す前後の著者川端さんの熱意や葛藤をたいへんリアルに感じることができました。
ちなみにメルマガ「秘密基地からハッシン!」は生物・動物・動物園・宇宙・社会など川端裕人さんがこれや!とおもうものをドスドスリアルタイムに話題にされてて、オランウータンの話もけっこう出ます。オランウータン直接の話じゃなくても、関連だよねという話も多いので興味の引き出しを広げられてたいへん面白いです。なんでもわかりやすく、おそらく川端さんご自身が大変自由に楽しく書いておられるのでそのフリーダムさを感じるだけでも面白いです。
有料メルマガなのでいつか読もうではなく、元はとらなと思ってすぐ読むという点もいいと思います・笑
おすすめなのでリンクはっておきます→メルマガ「秘密基地からハッシン!」

そのメルマガで私は本田公夫さんの功績をはじめて知りました。
誰もがしってるニューヨークに、誰もは知らないすごい人がいるんだよがこの本を書く動機だったと川端裕人さんは言う
(こんな言い方じゃないけど)
ニューヨークにある有名動物園ブロンクス。
動物園展示が画期的で世界の動物園展示に長く影響を与え続けている先駆者のような所。
その場所で本田さんは展示部門に勤務して20年近く。

海外動物園すげぇな話はもれ聞くことあるだろう、日本と比べてどうだという話も聞くことがあって、かなわないよねーとネガティブな気分になることもあるだろう、でもちょっとまって日本人でさこんな先駆的な所で、先駆的なことやってる人がいるんだってば、
まずはさその人の仕事と、その環境知ってみようぜ!わかりやすく解説するからさ!がこの本のコンセプトだと私は思いました。
(ラフにまとめてすみません)

本の具体的な紹介は著者さんのブログが正確で詳しいですので貼っておきます。
川端裕人さんブログへ
章立ても載っています。

ざっくりご紹介すると、現在までの動物園事情を紹介、そのあとブロンクス動物園の展示を川端裕人さん本田公夫さんが実訪問する体で紹介していくという形。
写真も多く、訪問のリアルな疑似体験ができます。
そしてその裏にある綿密でたいへん手間のかかった苦労や工夫を場所場所で感じることができます。

ほとんどの章がブロンクス動物園の展示についてなのですが、私はまず第1章「21世紀の動物園を考えるために知っておくべきこと」を読むためだけにでもこの本を買う価値はあると思いました。
世界(アメリカ)と日本の動物園の歴史や立ち位置がよくわかります。
動物園ファンの方には、日本の動物園の展示やしくみをもどかしく思っている人もいると思う。
ファンになって通えば通うほど見えてくるものもあって、動物園の人じゃないのに(笑)こうしたらどうかなとかすごい考えるというのは動物園ファンあるあるだと思います。
そのもやっとが晴れるきっかけになるかもしれません。
私はそもそもの出発点がこんなに違うなら、この差はそりゃ出るなというのが率直な感想でした。
そしてその差は人的能力の差とか、もともとのコンセプトがいいとか悪いとかいう話ではないです。
そこがわかるだけでも考えやすくなるし、ものすごく希望が出る。
日本の動物園関係者(現場の方)が個々の能力で世界の舞台ですごーく頑張ってるんだというのも、雰囲気でよくわかりました。
そうやって手を伸ばし手を伸ばして日本の動物園の未来を作ろうとしている個の力を、根本的な土台から支えていけるようになれば、今各所で芽生えているいいものがばーっとつながって、大変換点を迎える時がくる、と信じたいです。
変化というのはそういう小さな力からしか起こらないものだと思うので。

ほんと第1章だけでもまず読むと(もちろん知ってる人はよく知ってることだろうけど)、めからうろこなことがあると思います。
展示方法の潮流や、エンリッチメントのことも整理できます。
日本の動物園でここ近年あった井の頭動物園のゾウのハナコさんの問題についてものっています。

さてここからはさらに、とても個人的な感想。感想というのがもともと個別なものではありますが、ここからは自分の話に帰するという点でとても個人的な感想です。本の紹介からもはずれるかもしれない、ちょっと自由に書きます。

2章目以後のブロンクス動物園展示紹介を読みながら、私は何度も何度も心の中で東山動植物のオランウータン舎の前に立っていました。
目は文字をおいブロンクスの光景を想像しながら、でも理解しようとすればするほど東山のオランウータン舎前に立ちアキさんをネオさんをながめている自分がいました。
展示の力、動物園の力を考えていました。

それは私自身が本の裏帯にあるように「動物園に来て首根っこを掴まれて自然の側に放り投げられた」人間だからです。
本田さんは「動物園に来た人の首根っこを掴んで自然の側に放り投げるような仕事をしたいんです」と語っている。
私を含め、動物園ファンの人にはまさにそうやって動物園に出会っていろんなところに放り投げられた人がいっぱいいます(笑)
動物園そのものが大好きになる人、特定の動物が大好きになる人、写真に目覚める人、もちろん生息地への興味に目覚める人・・、自然というカテゴリだけではありませんが、多くの放り投げれれた人は、根底にその動物が好き、守りたいという気持ちをほとんどの人が持ち(気づき)ます。
東山のオランウータン舎やゴリラ舎で、そうやっていわば放り投げられた人をたくさん知っています。

そして私自身もそうなので、東山でオランウータンに出会って人生がゴロゴロ変わっていった人間なので、
動物園ってなんだろうな、私は一体なににこんなに惹かれたんだろうなということをふと気が付けば深く深く考えていました。
放り投げるという言葉はとても的確で、それは一瞬の出来事なので。
私の場合は「バランが被っていた紙をがさっと引き寄せた瞬間」におそらく放り投げれています。
なんだこの生き物?!と思い、放り投げられたまま空中にいることにあまり気が付いていないまま、1年後東山を再訪してアキさんに出会い目が合い、オランウータン好きという地面にすたっと着地したという感じです。
そこからは一直線にオランウータン道をつきすすむみたいな・・。

もともと放り込まれやすい要素を持っていたかもということはあるかもしれませんが、同じようにオランウータン舎で放り込まれた人がけっこう多いので、東山さんのオランウータン舎展示になにがあるのかなーを漠然と考えていました。
あなたオランウータンが好きになる因子をもっていたのよ、ではなくて展示による力がなにかあったんだと思うので。
解放型モート式で見やすい。
距離感がいい。
見下ろしじゃない。
オランウータンがのんびりしている。
観覧者にむかって逆ハの字の放飼場なのでなんとなくウェルカムな気持ちになる(?)
展示場が端なので見る人ものんびり見られる(ゆっくり観覧するには、ほかのヒトと干渉しないという要素も大きいと思う)
観覧通路がとても広い
思いついたのはこのあたりでした。
うーん、わからん・笑

あともうひとつ。
いつかこんな動物園ができるといいなと私がひっそり思っていることを書きます。
動物園はどちらかというと子供むけ、もしくは子供を含む全年齢向けとみなされています。
いつか”うちの動物園は大人向けです”というところができないかなというのが私のひそかな願いです。
もちろん全年齢が来園するし、バリアフリーだし、子供がきても動物を楽しくみれる場所です。
ですが知的好奇心を満たしたい展示部分は大人がメインターゲットです。
中学生か高校生以上の大人です。
最新の知見や、生息地保護の情報がしっかりと出ています。
わかりやすくは書いていますが、正確で細かい情報がのっています。
何度も何度も訪問して理解を深めていける場所です。
動物の事情や都合がなにより優先され、観覧できなくてもその都合や事情部分を興味深く聞きそこにおもしろみを見いだせる動物園です。
動物園が年齢層のターゲットを絞ることはとてもむつかしい現状があるのはよくわかります。
なのでこれは私の妄想ではありますが、私はいつかうわーここに書いてあること全然わからない!むつかしい、深い、すごい!とおもう動物園展示に出会いたいなーとおもいっています。

動物園がその人の生き方を変え、何かを動かす力を持っていることを身をもって知ってるからこそ書ける感想があるかと、意気込んで書きましたが、後半のあたりが浅くて言葉足らずでもどかしい。
ほんと何かを伝えるってむつかしい(と言ってしまうとそれこそ言葉足らずか・汗)


「動物園から未来を変える」
動物ファン、動物園ファン必読の1冊です。

動物園から未来を変える
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