オランウータンはアジアの隣人
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【長編】6月16日午前のアキさん 2022/06/18(Sat)

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みなさま、ただいま6月16日木曜日の朝9時3分。
開園直後の東山動植物園 オランウータン舎前です。
人っこ1人おらぬ、朝1の出待ちに成功。出待ちなんて、実に実に3年ぶりとかか?!
わくわく感につつまれながら、この数年飼育員さんのたゆまぬ工夫が生んだ、新しいエンリッチメントの数々を見つめ堪能しつつ、すでに気持ちは達成感でいっぱい。(早い)

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飼育員さんが、朝ごはんを各所各所に仕込み始める。
あー、その青いタルどうやってごはん仕込んでいるのだろう?ぶら下がって?とか思ってたけど普通ヒトは手が届く。
そりゃそうだ!ヒトの足の長さを再発見。


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日よけにもなるでっかい緑ターフ。
ヒトが乗っても大丈夫。ビヨンビヨンしながら飼育員さんがピーナッツを仕込むのをみつつ、アキさんはどんな風にここわたるんだろう!とわっくわく。


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アキさん登場。
会うのは実に8か月ぶり。
野生動物に対してかわいいかわいいというのを自戒していますが、アキさんの姿をみた瞬間
『ぐ、ぬぬぬ、か、かわいい。なんてかわいいんだ』
と言ってしまう。
押さえきれないこの気持ち。
この気持ちが原動力となってスマトラオランウータンの生息地に何が何でも行くのだという熱意になったのだから、
まぁそんな悪いものではなかろうて。好きという気持ちは偉大である。

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数々あるフィーダ、仕込みからまっさきにアキさんがむかったのはこちら。
ジャランジャランデッキのジャバランジャバラン(蛇腹ん蛇腹ん)
ピーナッツが仕込んであります。
くいっとした超絶バランス姿勢を見せるアキさん。


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続いてジャランジャランデッキ先端の、まんまる黄色ボール。
ここもナッツかなにか仕込んであったようす。
サクッとクリヤ。
久々の接近に歓喜の手を振るマニアを尻目に、とっとと次のフィーダーへ。


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三か所目。
青タルフィーダ。
ほんとにこのタルフィーダすごいと思います。
長年いろいろな工夫をされてきたけど、この運動場の制約などから樹上姿勢を引き出すのはなかなかむつかしかったところ、このフィーダーで大成功。
ここで樹上姿勢や足をつかった移動に慣れたネオさんアキさんが、他でも同様な行動を見せるようになった、きっかけをつくったところ。
飼育員さんのたゆまぬ努力に万雷の拍手を送りたい。

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んぐぐぐぐとよっている感じ。
中に入ってるナッツかなにかのフードを回して引き出す。

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のびーん。ぶらーん。
オランウータンさん、な姿勢。
この姿を運動場で見られる喜び。

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右手、右足でがっしり体を保持。
左足も補助っぽい。
そして左手でべしべしとタルを回すアキさん。
うれしそう。

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ほいっとタルもクリヤ。

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続いて四番目は、ジャランジャランデッキに吊り下げられたピンクタンクへ。
このタンクは固定されておらず、軽く結わえてありほどいて持っていくことを期待されてるフィーダー。
アキさんは中身が取れれば問題ないので、中身にロックオンする作戦を採用。
・・の結果、盆踊りアキさんに・笑

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バランス?バランスとるためなのか?
左足ももあげ姿勢で空中ストップ。(もたれさせたり、なにかをつかんだりしてないです)
あ、なるほど。真似してやってみたら納得。
右手でピンクタンクを持ち上げようとしたら、体を右へ傾けないと無理なんですね。
なので左足をあげるしかなくて、しかもつかむところないのでこの姿勢。。?
それをこの一本柱の上でやっているので体幹がとても強いのか、左手と右足だけあれば
きっちり体を保持できるということなのか。
同じ姿勢やったらヒトふらっふらです。
さすが樹上の生き物オランウータンさん。

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足アップ。
くぃっとした足がとてもかわいらしいと思います。


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無事、盆踊り姿勢でナッツゲット。
うふふな笑顔。
ジャランジャランデッキを去って次の場所へ。

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さて、、そんなアキさんの姿をうかがう、おしかけ混合展示希望の黒い鳥A。
不穏・笑

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よっこいしょとやってきたのはパズルフィーダー。
上から覗く。

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横から覗く。
でもちらっと枝をうごかしただけで、スルーして次の場所へ。
なのでここはまだ5か所目とはカウントせず。


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次にやってきたのは緑ターフゾーン。
ターフ上に麻袋にくるまれた大きな獲物と、枝フィーダーにはナッツがあります。
どう攻略するのだろうか?!
ヒトがのっても大丈夫なので、ボスボス!と歩いていくのだろうか?!


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何をおっしゃるうさぎさん。
私たちには、このながーーい手があるのよ!と右手も左手も目一杯広げてオランウータンさんの大特長である長い手の能力を余すところなく披露してくれるアキさん。

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タグリヨセル。
そして無事中身ゲット。


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うふふふふーと、箱の中身を探索するアキさん。

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の、隙に袋の中に残っていたナッツを強奪成功な、混合展示希望黒い鳥A。
す、すごいなー!一番アキさんの関心がよそにむいている隙をばっちりねらっての犯行。
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勝利の雄たけび。
と、そんな黒い鳥Aに気を取られていたら、アキさんがとんでもない姿勢になっていたでござる。


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ふぉっ?!
ア、アキさんそれどういう姿勢?何目的?
緑を背景に突然出現した樹上姿勢(?)にびっくりする私。


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あ、なるほど。枝フィーダーをめざしていなさったのね。
手は消防ホースを、足はチェーンで、そして背中はターフの疑似樹上移動。
アキさんの『意地でもターフは踏まん』という強い意志を感じる・笑
するすると横移動するアキさん。
新しい、新しすぎる・笑

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がしっ。枝フィーダー掴む。
緑のターフがスクリーンのようで、まるでなにかの特撮中のようである。


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さくっとナッツを食べて退散。
よくみると1個ナッツが残ったままでござる。決して食べ残しを作らないネオさんと比べて、
アキさんらしさがでているシーンである。
ちなみに私はアキさん的です・笑
手のクロスがちょっとかっこいい。

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移動しながら、ピーナッツの殻をぺいっとするアキさん。
オランウータンはのんびりしてるって?笑
まだまだフィーダーはあるので忙しいのでござる。

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おっと、箱の中にブロッコリーあった。
ボリリン、ボリリンといい音が響く。
ブロッコリーの栄養をあますことなく得るアキさん。

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そして6か所目。さてやるか、、という風情をただよわせてパズルフィーダにやってきたアキさん。
さきほどの探索で、なにが入っているかはチエックすみ。

このとき↑左手をのばしていますが、フィーダー用の太い枝をとったところのようでした。

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上から枝をさしこみ、入っているごはん(オレンジやペレットのようでした)を移動させるアキさん。

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このパズルフィーダ―は、中にしこまれた障害物をさけてエサを移動させ、最終的には画面左の丸太下部分の”III”って見える出口から取り出すフィーダーです。
(もとは旧チンパンジーにあったものを移設)
が、アキさんにとっての取り出し口はいま左指をこじいれようとしている所だそうです・笑
そこがちょっと浮いているのでそこからグリグリ取り出すのがアキさん流。


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ひとつオレンジを取り出し成功。(足元に皮がおちているやつです)
つづいて枝でガシガシやって移動。

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ふぬぬぬと指を差し入れ・笑
真剣。

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このオレンジをとりたいっ!
このあと動画を撮ったので写真はないのですが、
このオレンジ、枝で動かして見事アキさん用取り出し口からゲットしていました。


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そして7か所目。ロングポット。
今日はここにヨーグルト(無糖)が入っていました。
まずは指でべろりんちょ。

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違う、、
何かが足りないわ。


そうそう、これこれ。
パズルフィーダから先ほど使った枝をもってくるアキ氏。


では、いっただきまーす。
差し込んで。


ヨーグルトがついた枝先を。


いっただきまーす。


味わう。
そしてほのかなドヤ顔。


枝先を吸うとき、ウチュウウチュウウジュウーーとなかなか大きな音がしていました。
オランウータンさんの唇はヒトのそれに比べて変幻自在でほとんどもうひとつの手といってもいいくらい機能的。
吸いつく力もかなり強そうです。
ヨーグルト枝味くらいにはなっているかもしれません。

この7か所でフードサーチは完了!
最後はヨーグルト吸いでした。ここでちっくりちっくりと枝をさしては味わうを繰り返していました。


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その後まったりモードになったアキさん。
ジャランジャランデッキへやってきて、黄色いバケツをかぶって。

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んばっ。
ぐぬぬぬぬ、お茶目。
大好き。


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フードサーチは9:12~10:05くらい、だいたい55分弱くらいでした。
1時間弱も、オランウータンさんが飽きることなく、楽しそうにごはん探索しているのは
観察するほうもほんとに楽しかったです。
飼育員さんたちの工夫と努力が実っていて、すごいな~と思いました。

その後はまったりとデッキでくつろぐアキさん。ゆるーんとしたお顔。


ときどき、あおむけになっても遊んだり。



またデッキでまったりしたり。
すごくいい感じのレイヤースタイルのアキさん。
こういう顔にふわっとかかる感じのヘアスタイルに、したいんだけどもこんど美容室にこの写真提示したらどうなるかしら?笑



かわらぬ美しく楽しいアキさん。
生き生きとした姿をみれてとても楽しかった。

追記に今日のフードサーチのもうすこし細かい分析をのせておきます^^

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オランウータン(アキ) | 2022/06/18(Sat) 

オランウータングッズ期間限定販売中(おらけんにて) 2021/12/07(Tue)

jamminposter.jpg

日本オランウータンリサーチセンター(おらけん)にて今週いっぱい販売されています。
サイトこちらおらけん公式サイトへ

販売直接はこちらJAMINNウェブショップへ

買うことで、オランウータン活動への寄付につながります。

こちら、おらけんの研究者さんとJAMMIN(チャリティ専門アパレルブランド)のデザイナーさんで作り上げたものなのですが。
おらけんらしい、、すごくおらけんらしいよ。
なにがというと、いい意味で”かわいくない”ことです・笑

リアルだ、なんかリアルなんだ。
表情とか、ねこぜっぽいとことか、おなかのまるみとか、、
さすがリアル、さすが野生オランウータン研究のおらけんという仕上がり。
でも、頭にのった葉っぱがキュートなんだ。本人(本オランウータン)は雨だよこまるなもう葉っぱでしのぐしかないじゃんという
サバイバルな状況なのだけど、勝手に見るほうは愛しさを感じちゃう。
こういうデザイン、よそではでにくいと思います・笑

完全期間限定(来週になると違う団体のものになる)ので、ほんとほしいなと思われたら、迷わずぽちるのが正解かと思います。
あとでやっぱほしかったな、、リアルなオランウータン、、そしてどこか愛しいオランウータン、、とおもわれても
買えないので。
どうぞ、あーほしかったのに!という方がでないように、この僻地のブログにも情報はっておきますので、
身近にファンの方がいらっしゃればすぐさまお知らせしてあげてください。
お値段も品質にくらべて安いです、そのうえチャリティもできます。
ウィンーウィンな商品となっております。
ひさびさの更新で写真とかじゃないくてお知らせでスミマセン。おらけんのスタッフでもあるので、できるだけ広めたいのです~。

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オランウータン情報 | 2021/12/07(Tue) 

■このページについて■ 2021/09/01(Wed)

sougankyou_nozoku_girl.png
このページってどゆうページなんだい?

■東山動物園の
 スマトラオランウータンのアキさん
 が異様に好きになりオランウータン道に足をふみいれた著者によるブログです。
 東山のスマトラオランウータンが好き⇒オランウータンのこと知りたい⇒スマトラ島の生息地知りたい⇒スマトラ島行って現地の情報や現地団体とも交流したいぜ!そしてちょっと奥さん「オランウータンはアジアの隣人」って知ってました?!(今ここ)

■NPO法人日本オランウータン・リサーチセンターのスタッフとしてオランウータンの活動やってます。
本業の傍らでぼちぼちとやっています。

■(2021~)”オランウータンはアジアの隣人”とタイトル改め、スマトラオランウータンによりつつもオランウータンのことを(のんびり)書いています。
■(2017~2020あたり)スマトラ島訪問したことなどを発信しはじめ。
■(2012~2017)東山のスマトラオランウータンのアキさんとネオさんのことをファン目線で発信していました
旧ブログ名「週末オランウータン」
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未分類 | 2021/09/01(Wed) 

今年最初のオランウータンが救出された~OICのニュース(2021/1/30)翻訳紹介 2021/02/28(Sun)

OICのサイトへ(英語)

20210130oic.jpg
OICのFB写真より

ここから翻訳記事です。(機械翻訳と素人の私による意訳なことをご承知ください)

■2021年1月30日発信

2021年の最初のオランウータンの救出(evacuation)は昨日1月29日に発生しました。
我々のHOCRUチーム(人間とオランウータンの衝突軽減チーム)は, GLNPおよび北スマトラBBKSDAチームと共に,北スマトラのLangkat地区, Salapian亜地区のUjung Bandar村のコミュニティ農地で孤立したオスオランウータンを救助した。オランウータンは推定15歳で, Leuser生態系の生息地から6 km離れて孤立していた。避難はスムーズに進み、後にHokiと名付けられたオランウータンはグヌン・ルザー国立公園のシンタ・ラジャに無事移動した。
オランウータンガーディアンの皆さん、オランウータン保護への強い関心を持ちづつけてください、そして救出(evacuation)はオランウータンの保全の最善策ではないことを心にとどめていましょう。

The first orangutan evacuation in 2021 happened yesterday, on 29th January.
Our HOCRU team together with the GLNP and North Sumatra BBKSDA team, rescued a male orangutan isolated in a community farmland in Ujung Bandar Village in Salapian Sub-district, Langkat District, North Sumatra. The orangutan is estimated 15 years old, and was isolated 6 Kms away from his natural habitat in the Leuser Ecosystem. The evacuation process ran smoothly and the orangutan, who later named Hoki, was safely translocated to Cinta Raja Resort of Gunung Leuser National Park.
Orangutan guardians, I hope you all stay strong in the band of orangutan guardians, and let us keep in mind that evacuation is not the primary solution in orangutan conservation.

***************
補足

救出evacuationとは、生息地から孤立した状態で発見されたりした野生オランウータンを保護し、健康状態をチェックしたのち、健康に問題がなければすぐに発見された地点から一番近い生息地へリリースする一連の救出作業をさします。
最後に最善ではないと書かれているのは、そもそも救出が必要な状況にオランウータンがいること自体が問題なので、そこが解決しないといくら救出をしても根本解決にはならないんだということを指していると思われます。

OIC説明

OIC(オランウータンインフォメーションセンター)はスマトラ島(北スマトラ)のオランウータン保全活動NGO団体です。
オランウータンの保護、生息地回復、コミュニティ教育、エコファーミング普及、パトロール活動など多岐にわたる活動をしています。

2018年にスマトラオランウータン保全の現場を知りたくメダンの事務所を訪問したことがきっかけで、ディレクターのパヌートさんと知り合い、日本に活動紹介したいんだけど、ぜひひろめてね!ということでまずは個人ブログでOICの記事を翻訳することから初めています。
OIC | 2021/02/28(Sun) 

OICの創設者パヌートさん登場。 2020/11/30(Mon)

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                    (写真:2018年1月スマトラ島にて 半野生のスマトラオランウータン ブログ主撮影)

ZOOMセミナー開催!「スマトラオランウータンの保全と熱帯雨林」

きたる12月8日火曜の夜に、スマトラオランウータンにめっちゃ関係するZOOMセミナーか開催されます。
スマトラオランウータンのレスキューや生息地の保全を行っている団体OICの創設者、パヌートさんがスマトラ島から登壇です。
スマトラオランウータンに関心のあるかた、必見、必聴。

無料です。
事前申込すればだれでも参加できます。
(zoomセミナーで、参加者は映像・音声ともでないパターンです。誰か参加しているとか、自分の名前なども基本でません。
質問はQ&Aに書き込んで自由に聞くことができます)

パヌートさんは英語で講義しますが、ZOOMの同時通訳が入りますので英語がわからなくてもまったく問題なしです。

日時 2020年12月8日(火)19:00~21:00

プログラム(敬称略)

1)講演:Panut Hadisiswoyo(Orangutan Information Centre)

2)コメント:金森朝子(日本オランウータン・リサーチセンター)

3)質疑応答

お申込みは下記の主催団体の詳細を読んで、申込フォームよりどうぞ。

詳細ページへ

申込フォーム

来週の火曜日ですね、あっという間です。
楽しみでなりません。
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プロフィール

カワシマ

Author:カワシマ
mail:
akiorangutan-syumatu@yahoo.co.jp

■東山動物園の
 スマトラオランウータンのアキさん
 が異様に好きになりオランウータン道に足をふみいれました
■(2020~)スマトラオランウータンのことを発信しています
■(~2017)
 東山のスマトラオランウータン
 アキさんと
 ネオさんのことをファン目線で発信していました

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